丸谷才一「犬だつて散歩する」(1989、講談社文庫) を読みました。
ふと手に取った古いエッセイ集。著者のこだわりで「仮名づかひは歴史的仮名づかひ。例。会ふ。をかしい。あぢさゐ」。
古今東西いろいろな文献から情報を引用しつつ、すごくくだらないことについて考察したり、自説を述べたりしています。
例えば、「オットセイの語源」とか、「目覚まし時計の起源」だとか、について。
すごく面白かったです。
まず、着想が面白い。そして、着想を得て、次から次へと発展していく、起承転結も面白い。
さらに、表現が面白い。
例えば、、、
住まいである目黒区三田が、港区三田に比べてマイナーなのを気にしている著者、
以下、引用(「バイコロジー」111p)
「ほう、目黒にも三田はあるんですか」
なんて問ひ返されることが、ちよくちよくある。で、さういふとき、(中略)内心ムツとする。ムツまではゆかなくてもmくらゐの気持にはなる。(中略)内心mとしながらわたしは微笑して答へる。「三田といふのは・・・
引用終わり
mくらゐ!!(笑)
そういう意味かぁ。
タイトルだけ見たら何だかわかんなかったよ。
旧仮名遣いなのにローマ字入力の発想なのがまた笑える。
でも全編旧仮名だとちょっと読みにくいな~。
読んでるうちに慣れるか。
投稿情報: わたべ | 2006/06/21 13:41
なるほど!
mくらゐ、とか思っておけば、頭にきたときにも笑えるかも。
投稿情報: ジュピター | 2006/06/21 18:30
> わたべ さん
旧仮名そんなに苦ぢゃなかったよ。全然気にならなかった。逆に味があって面白いくらい。
内容が小難しいのがあるので、そういうのは飛ばすべし。
ローマ字入力(笑
英語バリバリのようです。
芥川賞受賞したりも。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B8%E8%B0%B7%E6%89%8D%E4%B8%80
> ジュピター さん
「あ、いまmとしちゃったかなー」みたいな感じで(笑
やりすごせますね。
投稿情報: chihirok | 2006/06/21 21:42
おお、ユリシーズの訳者だったんだ。ジョイスの著作は「フィネガンズ・ウェイク」を読んだけど、何が何だかでした。(笑)
中野好夫さんはたぶんサマセット・モームの作品を日本に広めた人だったような。
へー、とか思って自分の本棚を見たら丸谷さんの「女ざかり」があったよ。5年ぐらい未読なんだけど。(笑) いい機会なので読み始めてみます。
投稿情報: わたべ | 2006/06/21 22:01
むう、モーム。なんかなつかしい。「月と六ペンス」を読んだよ、昔。読破してない気が。。
「女ざかり」!ワタシも、読もうと思って、昨日アマゾンで買って届くの待ってるとこ。何かキてますね・・(笑
投稿情報: chihirok | 2006/06/21 22:52